2016年8月14日日曜日

ハードウェアプロジェクトのための3つのポイント:HARDTALK TOKYO

HARDTALK TOKYO


8月4日(木)に行われたハードウェアスタートアップに関するイベント「HARDTALK TOKYO」に参加してきました。以下の内容のなかでも特にJulio Terra氏(Director of Technology and Design Outreach at KICKSTARTER)、大蘿淳司氏(Representative Director & CGO at Mistletoe)、麻生要一氏(Media Technology Lab. Executive Manager at Recruit Holdings)のお話からハードウェアプロジェクトのためのポイントを整理してみました。


7:00pm〜:オープニング挨拶
Jerry Yang - General Partner at Hardware Club
高橋ひかり - Co-founder/Customer Success Lead at Brain Portal

7:05pm〜:対談 #1
Julio Terra - Director of Technology and Design Outreach at KICKSTARTER
Moderated by 松崎 良太 - CEO and Founder at Kibidango

7:15pm〜:対談 #2
大蘿淳司 - Representative Director & CGO at Mistletoe
Moderated by Jerry Yang - General Partner at Hardware Club

7:25pm〜:対談 #3
麻生要一 - Media Technology Lab. Executive Manager at Recruit Holdings
Moderated by 高橋ひかり - Co-founder/Customer Success Lead at Brain Portal

7:35pm〜:対談 #4
上川衛 - General Manager, Business Development Division at Sony Corporation
Moderated by Jerry Yang - General Partner at Hardware Club

7:45pm〜:対談 #5
DAVID CORBIN - Director of Content Strategy at Tech in Asia
Moderated by Jerry Yang - General Partner at Hardware Club

7:55pm〜:対談 #6
中西敦士 - CEO/Co-founder at D Free & 九頭竜雄一郎 - CTO at D Free
Moderated by Jerry Yang - General Partner at Hardware Club

8:05pm〜:スタートアップによる製品デモ
Moderated by Jerry Yang - General Partner at Hardware Club
Demo by Nature, Inc., BOCCO (YUKAI Engineering.Inc), Blincam Inc.


1. コミュニティ、ファンを先につくる

Julio Terra氏(Director of Technology and Design Outreach at KICKSTARTER

・コミュニティ、ファンをつくることはプロダクトをつくるよりも難しい
・プロジェクトを秘密にしておいて一気に公開するよりもやっていることをオープンにして少しづつファンをつくるほうが効果的
・開発コストが不明確なままプロジェクトを進めてしまうと持続しない
・すぐにグローバルマーケットに出せるアイデアでも、すべての人たちが腹落ちするようなアイデアでなければならない
・KICKSTARTERの魅力は資金を集めるだけでなく、コミュニティがつくれること

2. バズをつくり誰に売れるのかを定量化する大蘿淳司氏(Representative Director & CGO at Mistletoe

・オンライン上でバズをつくってから売り込むことが大事
・動画は現状がどのように変わるのかがわかりやすくインパクトが大きい
・自分のプロダクトのことは話せるが誰にどう売ればいいのかがわからない場合が多い
・売れるか売れないかはバズがどれくらいあるかで決まるため、それを定量化してディストリビュータに持って行くのが良い
・最初から世界を狙い、プロダクトがフィットするところを見つける

3. オープンイノベーションの活用麻生要一氏(Media Technology Lab. Executive Manager at Recruit Holdings

・昨今リクルートがハードウェアに力を入れている
BRAIN PORTAL:ハードウェアスタートアップの製造をサポート、3ヶ月でプロトタイプ開発まで行う
TECH LAB PAAK:ITイノベーターのためのコワーキングスペース、オフィス
・ソフトウェアのイノベーションは出尽くしてきているため、IoT時代はハードウェアのイノベーションを生み出していく
・モノにサービスが付帯してくる
・オープンイノベーションの事例:ソニーとワークショップを行い新規事業をつくる




以前参加したイベント「大企業が新規サービスを1ヶ月でローンチする方法:Reaktor」 でもバズ効果の重要性について語られていました。ハードウェアプロジェクトにおいては、ユニークなストーリーによってプロジェクトをオープンにしていきながら、多様なスキルを持ったチームの人材を集めたり、ファンをつくることが重要だと感じました。

アントレプレナーの教科書」で書かれている「顧客開発モデル」も参考にしながら、IoT時代のデザイナーとして、IoTのテクノロジー、製造の知識、ビジネス感覚なども身につけていきたいと思います。 

2016年8月12日金曜日

『ピクサー流創造するちから 小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法』: デザインの思考につながる3つのポイント

ピクサー流創造するちから 小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

『ピクサー流創造するちから 小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法』より、デザインの思考につながる3つのポイントをメモ。


1. 組織のデザイン


いいアイデアを二流のチームに与えたら台無しにされる。二流のアイデアを優秀なチームに与えたらそれを修正するか、捨ててもっといいものを思いついてくれる。

人が負担に感じるお役所的なルールの多くは、悪や問題や矛盾への対処や複雑な環境を管理する方法として設けられている。だが、個々のルールは正当な理由があって作られたとしても、相互に絡み合い始めるとつじつまが合わなくなるときがある。企業においても、よかれと思ってつくったルールで身動きがとれなくなる場合がある。そうなると結果は一つ、「創造する衝動」の喪失だ。

創造性のことを「関係のない概念やアイデア同士の予期せぬ組み合わせ」と言った人がいましたが、それが本当なら、その組み合わせが生まれる精神状態があるはずです。だから行き詰まったと感じたときは、いったんすべてを止めて、僕もチームも他に目を向けて、しばらくしてムードが変わったら再度問題にタックルします。


2. デザインするリーダー像


「見えないものを解き明かし、その本質を理解しようとしない人は、リーダーとして失格である」

どれほど目を凝らしても、自分や人の人生を決定づけている相互依存の関係をすべて知ることはできない。

見えないものを認め、今この瞬間にも自分の見えないところで五センチの出来事が山のように起こり、そうした出来事によくも悪くも影響されているという事実を快く受け入れられれば、柔軟性も養われる。リーダーは謙虚たれということかと思われるかもしれないが、リーダーの本当の謙虚さは、自分の人生や事業が目に見えない多くの要因によって決定づけられてきたこと、そしてこれからもそうあり続けることを理解するところから始まる。

CEOからDEOへ 「デザインするリーダー」になる方法

『CEOからDEOへ 「デザインするリーダー」になる方法』にも同じように謙虚さについて書かれています。


3. 既存のフレームにとらわれていることを意識する


人は過去に学ぶべきであって、過去に支配されてはならないのだ。

先を見ることと過去を振り返ることの間には対称性のようなものがあるが、実際にそういう見方をすることはめったにない。ピクサーで次の映画のプロットを検討しているときは、未来につながる道を意識的に選んでいる。入手できる最良の情報を分析し、進む道を選んでいる。ところが、過去を振り返るときには、脳のパターン認識に基づいて、意味のある記憶を選んでいるのだが、そのことに気づいている人は少ない。それにいつも正しい選択をしているわけではない。

人は良くも悪くも環境に影響を受けるということを意識し、自分自身やチームが創造性を高め、アイデアを洗練させていくためには活動する場をデザインすることが重要だと思うようになりました。


謙虚に、過去から学び、今後の活動を創造的なものにしていけたらいいなと思います。