9月10日(木)にフィンランド大使館で行われたFINNISH BUSINESS DAYというイベントに参加しました。
プログラムの中でデザインの思考を活用したサービス開発の方法についての
Reaktorのプレゼンテーションが勉強になりました。
Reaktorについて
- 拠点:ヘルシンキ(本社)、東京、ニューヨーク
- 人数:350名
- 人材を大切にしている
- 多くの面接を行っており、採用プロセスがハーバード大、UCよりも難しい
- フィンランドで働きたい企業No.1
- 世界を代表するようなグローバル企業と取引している
社内で共有している5つの規範
- 即行動
- 常にカイゼン
- エキスパート集団であれ
- 自由と責任感
- 楽しみながら一流の仕事を
大企業が新規サービスを1ヶ月でローンチする方法
トゥオマス・ロット
Founder & COO リアクターグループ
なぜ急ぐのか?
- いろいろなサービス、プロダクトがソフトウェアによって動かされる時代
- ソフトウェアに支配される世界といっても過言ではないようなサービスの作り方に変わってきている
サービスを成功に導くには
当たり前のことかもしれないが、できていないことが多い
- 明確な目的
- 人の生活に寄り添う
- 利用ユーザーの声からの気づきを大切にする
- 現実の課題に沿ったソリューションを開発する
- 人の行動にシフトをもたらすようなユーザー体験をデザインする
フィンランド航空向けのアプリの事例
- 現在約10万ダウンロード
- 毎月約37000人が旅行のプランニング、チェックインの機能を実際に使っている
- マイレージのプログラムを使用しているユーザーの三分の一が紙のチケットではなくアプリを使ってチェックインをしている
スピード開発ラボ
サービス構築の立ち上げ能力をブーストしていくためのもの
プロダクト開発能力+バズ効果→最高レベルの人材=スピード開発ラボ
プロダクト開発能力の強化
- ラピッドプロトタイピング、アジャイル開発手法を使い開発期間の短縮、マーケットニーズの取り込みを行う
- 実際に動くものを作ってみて、フィードバックをもとに改善しユーザーニーズに近づけていく
バズ効果を発生させる
- なんかあの会社がチームをつくって面白いことをやっているという評判をつくるために、自分もやってみたいと思わせるような演出をしたり、情報を流したりする
- ユニークなストーリーによって人を集めチームをつくる
最高レベルの人材の獲得
- 最高レベルの人材を獲得するために、どれだけチャレンジングなことに挑めるのかということに興味を持たれるような情報を投稿し、そこに人が集まりチームに入ってもらうことでスピード開発ラボをつくる
- 社外からも広くいろいろなタレントを集めてくることが重要
- 他社よりも優秀な人材を集めるため、まずはプロジェクトをやろうと決めたときに、社内からその国やビジネスのインサイトを持った人を集めチームのベースを作り、同じような興味を持った人を社外からリクルーティングしてくる
- できたチームを既存の組織のどこにも属さず、社内スタートアップのような形で独立したラボとしてつくる
優秀な人材とは
- ビジネスマインドを持った人
- ユーザーにとって価値があるのかというカスタマー思考を持った人
- Make-it-happen mentality / Let’s do it(やったるで!スピリット)を持った人
- 結果にコミットする
- 主体的に動ける人
成功のための秘訣(まとめ)
- ラボを社内で立ち上げるとき、そこが活気に溢れ、エネルギーに溢れるような形で立ち上がるシーンが大事
- サービスを回していくための必要なスキルを揃える(コンセプトデザイン、ソフトウェアであればコーディングの技術、UXデザイン、プロダクトを広めるマーケティング、ビジネスモデルの構築)
- ラボには一定の自由度が必要であり、プロダクト開発のサイクルをどんどん回していけるようにラボに一任することが大事
- あのチームが立ち上げたサービスがヒットしたらしいという評価を母体が取り込み最大限に活用する
- ユーザーの行動にシフトが起きたり、インパクトを与えることができたとき、ビジネスとして回り始めたとき、◯◯社の◯◯ラボがやっていたというよりも、◯◯社が全面的にサポートしてやっていたサービスであるという形で全社でコミットしていく
- それを最終的に社内に戻し、部署化してさらに大きくしていくのか、ラボの中で継続的に運営していくためにサポートしていくのかを状況に応じてやっていく
このイベントでReaktorでは人材を最も大切に考えていることが伝わってきました。サービス開発のためにユニークなストーリーによって人材を集める、プロジェクトに応じてチームを作る、チームとその母体となる組織の関係など組織デザインの視点でとても勉強になりました。