2015年12月30日水曜日

僕はジョッキー!


「競馬」と聞いてどのようなイメージを浮かべるでしょうか?

小さい頃から競馬場へ行っている馬好きな高校の友人と「ジョッキーくん」というキャラクターをつくりました。
LINEスタンプをつくってみようという話になったものの、キャラクターをまともに描いた経験はありませんでした。学生時代にキャラクターをデザインするための発想手法の研究をしていた大学の友人の手法の評価の際、実験的につくったビールのジョッキをモチーフにしたキャラクターのことを思い出しました。このキャラクターがジョッキーくんが生まれるきっかけとなりました。

ジョッキーくんのもととなったキャラクターに、競馬の要素を取り入れられないかと話をしているなかで、「馬に乗るジョッキー」と「ビールのジョッキ」を組み合わせることで新しいキャラクターが生まれました。

LINEスタンプの審査に必要な40個のスタンプを展開するヒントを得るため、はじめて競馬場へ行ってみると、公園で子どもが遊んでいたり食べる物がたくさんあったりして、気軽に馬を見て楽しめるものだと感じました。
さらにヨーロッパでは高貴なスポーツとして多くの人が楽しんでいるということを知り、賭け事のイメージしかなかった競馬への印象が変わっていきました。


2015年3月に開催された世界各国の名馬が参戦する競馬の祭典「ドバイ・ワールドカップ」をもとに競馬の魅力についてインフォグラフィックを活用しながら解説してみた記事はこちらです。
https://keibainfographics.themedia.jp/





競馬の体験に基づいて展開した40個のスタンプを審査に出したところ、数ヶ月後に「賭博を助長するもの」という審査ガイドラインに該当するため、すべてのスタンプをつくり直さなければ審査に通らないという結果が通知されました。






ジョッキーくんを全否定されたショックから一度は諦めようとしましたが、友人が何気なくノートに描いていた消しゴムのようなキャラクター「約束ちゃん」のスタンプをリリースしました。

https://store.line.me/stickershop/product/1079164/ja


その後、なるべく賭け事としての競馬の要素をなくしたスタンプを展開し、リリースすることができました。木馬に乗っているジョッキーくんのスタンプは、ジョッキーくんを馬の代わりにせめて木馬に乗せてあげたいという想いからつくったものです。

2015年9月27日日曜日

大企業が新規サービスを1ヶ月でローンチする方法:Reaktor

9月10日(木)にフィンランド大使館で行われたFINNISH BUSINESS DAYというイベントに参加しました。

プログラムの中でデザインの思考を活用したサービス開発の方法についての
Reaktorのプレゼンテーションが勉強になりました。

Reaktorについて


  • 拠点:ヘルシンキ(本社)、東京、ニューヨーク
  • 人数:350名
  • 人材を大切にしている
  • 多くの面接を行っており、採用プロセスがハーバード大、UCよりも難しい
  • フィンランドで働きたい企業No.1
  • 世界を代表するようなグローバル企業と取引している


社内で共有している5つの規範





  • 即行動
  • 常にカイゼン
  • エキスパート集団であれ
  • 自由と責任感
  • 楽しみながら一流の仕事を


大企業が新規サービスを1ヶ月でローンチする方法

トゥオマス・ロット
Founder & COO リアクターグループ

なぜ急ぐのか?


  • いろいろなサービス、プロダクトがソフトウェアによって動かされる時代
  • ソフトウェアに支配される世界といっても過言ではないようなサービスの作り方に変わってきている

サービスを成功に導くには

当たり前のことかもしれないが、できていないことが多い



  • 明確な目的
  • 人の生活に寄り添う
  • 利用ユーザーの声からの気づきを大切にする
  • 現実の課題に沿ったソリューションを開発する
  • 人の行動にシフトをもたらすようなユーザー体験をデザインする


フィンランド航空向けのアプリの事例




  • 現在約10万ダウンロード
  • 毎月約37000人が旅行のプランニング、チェックインの機能を実際に使っている
  • マイレージのプログラムを使用しているユーザーの三分の一が紙のチケットではなくアプリを使ってチェックインをしている


スピード開発ラボ

サービス構築の立ち上げ能力をブーストしていくためのもの


プロダクト開発能力+バズ効果→最高レベルの人材=スピード開発ラボ

プロダクト開発能力の強化


  • ラピッドプロトタイピング、アジャイル開発手法を使い開発期間の短縮、マーケットニーズの取り込みを行う
  • 実際に動くものを作ってみて、フィードバックをもとに改善しユーザーニーズに近づけていく

バズ効果を発生させる


  • なんかあの会社がチームをつくって面白いことをやっているという評判をつくるために、自分もやってみたいと思わせるような演出をしたり、情報を流したりする
  • ユニークなストーリーによって人を集めチームをつくる

最高レベルの人材の獲得


  • 最高レベルの人材を獲得するために、どれだけチャレンジングなことに挑めるのかということに興味を持たれるような情報を投稿し、そこに人が集まりチームに入ってもらうことでスピード開発ラボをつくる
  • 社外からも広くいろいろなタレントを集めてくることが重要
  • 他社よりも優秀な人材を集めるため、まずはプロジェクトをやろうと決めたときに、社内からその国やビジネスのインサイトを持った人を集めチームのベースを作り、同じような興味を持った人を社外からリクルーティングしてくる
  • できたチームを既存の組織のどこにも属さず、社内スタートアップのような形で独立したラボとしてつくる


優秀な人材とは





  • ビジネスマインドを持った人
  • ユーザーにとって価値があるのかというカスタマー思考を持った人
  • Make-it-happen mentality / Let’s do it(やったるで!スピリット)を持った人
  • 結果にコミットする
  • 主体的に動ける人


成功のための秘訣(まとめ)





  • ラボを社内で立ち上げるとき、そこが活気に溢れ、エネルギーに溢れるような形で立ち上がるシーンが大事
  • サービスを回していくための必要なスキルを揃える(コンセプトデザイン、ソフトウェアであればコーディングの技術、UXデザイン、プロダクトを広めるマーケティング、ビジネスモデルの構築)
  • ラボには一定の自由度が必要であり、プロダクト開発のサイクルをどんどん回していけるようにラボに一任することが大事
  • あのチームが立ち上げたサービスがヒットしたらしいという評価を母体が取り込み最大限に活用する
  • ユーザーの行動にシフトが起きたり、インパクトを与えることができたとき、ビジネスとして回り始めたとき、◯◯社の◯◯ラボがやっていたというよりも、◯◯社が全面的にサポートしてやっていたサービスであるという形で全社でコミットしていく
  • それを最終的に社内に戻し、部署化してさらに大きくしていくのか、ラボの中で継続的に運営していくためにサポートしていくのかを状況に応じてやっていく



このイベントでReaktorでは人材を最も大切に考えていることが伝わってきました。サービス開発のためにユニークなストーリーによって人材を集める、プロジェクトに応じてチームを作る、チームとその母体となる組織の関係など組織デザインの視点でとても勉強になりました。 

2015年8月23日日曜日

16個の英語の前置詞/副詞のイメージまとめ

英語も言語だからといって言葉だけで覚えるのではなく、イメージで覚えようということで、16個の前置詞/副詞のイメージをまとめました。


・on:くっつく
・off:離れる
・at:ある一点を指し示す
・over:おおっている、塀を越えるようなイメージ
・under:あるものの下に位置している
・above:〜の上に
・below:〜の下に(あるものの下から外れていてもいい)
・through:通り抜ける
・out of:出る
・into:入る
・along:沿う
・between:二つのものの間
・among:三つ以上のものの間
・in front of:あるものの前
・behind:あるものの後ろ
・for:ポジティブなことに心や体が向かっている


部屋の壁に貼って復習します。

2015年1月6日火曜日

イノベーション経営のためのデザイン思考

2014 年 3 月に行われた経産省主催の「イノベーション経営のためのデザイン思考 〜企業事例に学ぶ新たな価値の生み出し方〜」というセミナーでの夏野剛さんの講演のメモ。

「サービス開発の秘訣」    
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授    
株式会社ドワンゴ 取締役 夏野剛    

デザインは意匠だけでなくビジネスモデル、サービスの設計、ものの価値を全て決める。
21世紀、ITが出てきてから全ての環境を激変させた。
技術がない企業でも、外から調達してきていくらでも製品を作れる時代になった。
例えば、Appleは工場を持っていない。サービスのデザイン、意匠のデザイン、ソフトウェアのデザインをやっているだけである。            

3つのIT革命    

1. 効率革命    
全ての業態の仕事の仕方を変えた。    
例えば、国内線の航空券の JAL、ANAの売り上げの75%はネットである。    

2. 検索革命    
個人の情報収集能力が飛躍的に拡大した。日本の組織の力を大きくするという仕組みが通用しなくなって20年。

個人がいくらでも専門家になれる。
逆に言えば、何か一つのサービスや組織を作ろうとしたとき、その道の専門家を揃えなければ作ることができないという時代が変わり、そのようなものはいくらでも調達できるようになった。
むしろ、リーダーがどのような方向に持っていきたいかということが最も重要になる。
21世紀になり全ての技術や専門知識がコモディティ化した。
個人と組織のパワーバランスが変わったということを組織デザインに反映させなければいけない。     

3. ソーシャル革命

古来の日本の経営学者は「いかに効率的な組織を作るかが企業の競争力である」と言っていた。    
みんなと同じことをやっていればGDPの成長率と同じだけ成長できる世界は、高度経済成長のときだけである。

イノベーションは今までにないことをやるのに、組織のデザインがそのままでできるわけがない。    
個人の気づきをいかに共有するかが重要になる。

例えば、ニュートンはリンゴが落ちるのを見たときに組織力でもなんでもなく個人として「重力」に気づいた。
人類の文明は、個人の気づきを共有し、蓄積し、時代を超えて伝承することで進化してきた。    
イノベーションは個人ベースである。    
例えば、任天堂の Wii-Fit は宮本さんが自分のダイエットのためにほしいと思ったが、 周りの幹部は誰もうまくいくと思っていなかった。    

みんなが良いと思ったものはその時点でイノベーションではない。
みんなの輪の中でイノベーションを起こそうという日本企業のアプローチは間違えている。
個人と組織の力のバランスを見直すとき、個人がインターネットによって強化される。
日本は人口が減少してくるため、イノベーションなくしては国が成り立たないところにきている。 日本の人口は、2030年までに1000万人減少する(九州が一つなくなるくらいの計算)。
このような国にいる限り、付加価値を出すことでしか成長は見込めない。    


サービス開発の秘訣    
・ヒントは身近にある素朴な疑問

人の意見に合わせて作るものに感動は生まれない。マーケティングをすればする程、良いネタが削られ、感動を与えられなくなり、誰でもできるような製品になってしまい、イノベーションは起きない。    

・自社の技術、制度や社風などの制約を外して考える

自分が置かれている環境の限界を考えてしまうと、その環境の中でしか作ることができないものしか作れなくなってしまい、感動は生まれない。    

・社内のコンフリクトに対して主張する時の3条件    
1. 自分が主観的に正しいと確信できる    
2. 客観的に理屈として考えても正しい    
3. 会社や社会のためにもなる
    


最後に    
デジタルの時代だからこそ、個人の信念や魂をどれだけ込められるかが価値になる。
日本は誰がやっても同じ製品が生まれる組織が大事にされてきたが、それでは感動は生まれない。    
iPhone はスティーブ・ジョブズに合わせて作っただけであるが、多くの人に感動を与えている。しかし、嫌いな人がいてもいい。

万人に受ける必要はない。
イノベーションを起こすことによってのみ、これからの日本は生き残ることができる。